
アメリカンスタイルの厚切りローストビーフ、プライムリブ専門店として誕生した『ロウリーズ・ザ・プライムリブ』。日本上陸25周年を機に、自慢のプライムリブだけでなく、豪快な魚料理やアメリカの家庭料理も楽しめるアメリカンダイニングへと生まれ変わりました。
シェフプロフィール
「ロウリーズ・ザ・プライムリブ」赤坂店 岡本幸生シェフ

2001年都内ホテルに入社、2006年同ホテル内フレンチレストランでオープニングスタッフとして勤務し、初年度の東京ミシュランガイドで2星を獲得。調理の経験を積み、2011年(株)ワンダーテーブルへ入社。ロウリーズ・ザ・プライムリブ(旧赤坂店)に配属。その後、2014年よりロウリーズ・ザ・プライムリブ恵比寿ガーデンプレイス店の開業に、2017年には赤坂店開業に携わる。2018年、赤坂店副料理長を経て2020年には同店の料理長に就任。
――『ロウリーズ・ザ・プライムリブ』とはどんなブランドでしょうか?まずは特徴について教えてください。
岡本シェフ:『ロウリーズ・ザ・プライムリブ』はアメリカンスタイルの厚切りローストビーフ(プライムリブ)を提供する店として1938年にロサンゼルスで創業しました。世界各国で11店舗を展開し、日本では赤坂・恵比寿・大阪の3店舗を営業しています。

これまではプライムリブをメインにしたコース料理を提供していましたが、2024年9月からは「プライムリブが自慢のアメリカンダイニング」へとリブランディングしました。

こ厚切りのプライムリブはもちろん、シンプルで豪快な魚料理やアメリカの家庭料理など、多彩でダイナミックな料理が加わりました。アメリカのダイニング文化を日本でも感じていただこうと、メニューのバリエーションや提供スタイルを変え、みなさんで取り分けながら楽しんでいただくスタイルになっています。
――アメリカのダイニングに来たような雰囲気が味わえるお店になったんですね。
岡本シェフ: はい。メニューの刷新だけでなく、グループで同じ料理をシェアする楽しみや、ゲストの目の前で仕上げをするライブパフォーマンスなど、新しくなった『ロウリーズ』ならではの楽しみ方をお届けします。
―――岡本シェフは恵比寿店の立ち上げを経て、現在は赤坂店の料理長を務められています。『ロウリーズ』を訪れるお客様はどんな方が多いのでしょうか?
岡本シェフ: 厚切りのプライムリブが世代を問わずご支持いただいていますので、どの店舗も幅広い世代のお客様にいらしていただけていると思います。ただ、お店の立地によっては少しずつ異なる印象です。例えば、赤坂店はオフィス街に位置しているため、接待や会食などのビジネス利用で訪れるお客様が多いです。恵比寿店は「恵比寿ガーデンプレイス」内にあるため、お子様連れのファミリー層や若いカップルも多くいらっしゃいますね。


『ロウリーズ』自慢の厚切りプライムリブはこう作る
――『ロウリーズ』といえばやはり圧倒的人気なのはプライムリブですよね。お店ではどのように調理され、お客様のテーブルまで運ばれるのでしょうか。
岡本シェフ: プライムリブには、アメリカ産ブラックアンガスビーフを使用しています。1本でおよそ8~9㎏ある骨付きのリブロースを塊のままオリジナルシーズニングでマリネし、3日間じっくり漬け込みます。この工程でお肉に味がしっかり染み込み焼いた時には余分な水分や油分が抜けて旨みが凝縮します。

その後、オーブンで2時間半から3時間ほど低温で焼き、さらに1時間ほど低温のウォーマーで休ませます。これにより、美しい色合いと柔らかくジューシーなプライムリブが完成します。

焼き上がったプライムリブは、専用のシルバーカートで保温しながらお客様のもとへ運ばれます。「カーバー」と呼ばれる専任スタッフがお好みのサイズと焼き加減を伺い、その場で切りたてを提供しています。カート内は蒸気で保温されているため、パサつくことなく、いつでもジューシーでおいしいプライムリブをお楽しみいただけます。
――骨付き肉を使ってローストビーフを作る難しさもあるのでしょうか。
岡本シェフ: やはり骨の後ろは熱が通りにくいので火入れが難しいですね。ただ、骨で隠れているからこそ絶妙な火加減にでき、「ミディアム」「ミディアムレア」にできる箇所も多く、お客様のお好みの焼き加減に合わせてご提供できています。
骨のまわりのお肉は味が濃厚でおいしいので、ぜひお召し上がりいただきたい部分ですね。ロウリーカット(300g)以上のオーダーをいただいたお客様には一緒にお付けしています。
――先ほどもお話にありましたが、お店には「カーバー」と呼ばれる専任スタッフがいるんですよね。
岡本シェフ: はい。お店でプライムリブをカットできるのはこの「カーバー」だけです。サイズと焼き加減を伺って切り分けるだけでなく、お肉のマリネから焼き、最後のシルバーカート清掃まで、プライムリブのすべてを管理しています。社内でライセンスを取得したスタッフのみが担当できるメダルをつけており、このメダルがあれば世界中の『ロウリーズ』でもカーバーとして働けます。

赤坂店には現在5名のカーバーがいますが、とても奥の深い専門職ですね。大きな骨付きの塊肉を使用していますが、同じ品質であっても1本ずつ微妙に形が異なるため、仕上がり具合にも影響が出ます。お客様のご要望に合わせながらも、形状に合わせた無駄のないお肉の切り出し方や、断面の美しさを追求することも必要です。技術や感覚を常に磨き続けなければならない、熟練度を要される仕事だと思います。
シェアして楽しむ!アメリカンダイニングの雰囲気も味わえる新メニュー
――2024年9月からのリブランドに伴い、メニューも新しくなりました。具体的にはどう変わったのでしょうか?
岡本シェフ: 自慢のプライムリブはもちろんですが、もっとアメリカならではの楽しみ方を提案するスタイルに変わりました。『ロウリーズ』は、イギリスの前菜である薄切りローストビーフを、厚みのあるサイズで楽しんでいただきたいという想いから始まりました。その原点に立ち返り、アメリカンダイニングのように、みんなで料理を取り分けながら楽しむスタイルにしました。メニューは1人前ではなく、2~3人でシェアしていただくアメリカンサイズのボリューム感が特徴です。

例えばプライムリブ。これまでは薄切りも提供していましたが、やはり旨味がしっかり感じられる厚切りで味わっていただくのが一番おいしいと考えています。
おすすめしているのは300gの「ロウリーカット」。多い場合はグループでシェアするなど、ひと切れでも厚切りのおいしさを堪能していただきたいと思っています。残りはお持ち帰りにすることもできますので、お気軽にお声がけいただきたいですね。
――プライムリブ以外のメニューについてはいかがでしょうか。

岡本シェフ: シーフードやフライドチキンなど、アメリカの家庭料理も新たにメニューに加わりました。おすすめはドーバー海峡で獲れた舌平目を使った「ドーバーソールのムニエル」です。毎週フレッシュな状態のものを輸入しており、焼き立てをお客様の目の前で丁寧に切り分け、焦がしバターソースをたっぷりとかけてご提供します。一尾で600gほどあるので、こちらもぜひシェアして楽しんでいただきたいですね。

その他にも、福島県産伊達鶏を15種類以上のハーブとスパイスで丁寧にマリネした「伊達鶏のフライドチキン」や、黒毛和牛のパテを220gも使用した「和牛チーズバーガー」などもご用意しています。
また、お客様の目の前で手早くシェイクして仕上げる「シェイクカルボナーラスパゲッティ」などはライブ感もあり、おいしさだけでなく楽しさもお届けできたらと考えています。
通販でも人気を博す「プライムリブ」と「アカンパニメンツ」、シェフおすすめのアレンジ
――「ワンダーテーブルモール」では『ロウリーズ』のプライムリブやアカンパニメンツなど複数アイテムを取り扱っています。最後に、シェフイチオシの食べ方アレンジがありましたらぜひ教えてください。
岡本シェフ: プライムリブは、ぜひキャンプやバーベキューで楽しんでいただきたいですね。ECショップのプライムリブはロースト済みなので、温めるだけでOKです。鉄板やフライパンで軽く焼き直すと、香ばしさが加わってさらに美味しくなります。

3種類のアカンパニメンツ(サイドディッシュ)もアレンジが可能です。例えば「マッシュドポテト」と「クリームドコーン」を合わせてチーズを乗せ、グラタンにするとお子様も喜ぶ一品になります。「クリームドスピナッチ」はトーストに乗せたり、パスタに和えたりしても良いですね。この時のパスタはリングイネなど、少し太めの麺を選ぶと絡みやすいです。

ECショップで購入できるプライムリブは1パウンド(約450g)。みなさんでシェアして楽しむのにぴったりのボリュームです。ご家庭でもアメリカンダイニングの雰囲気を味わえるのではないでしょうか。また、東京や大阪に来られた際は、ぜひお店の方にもお越しいただけたらうれしいですね。